<キャリコン利用視点>【参考書】転職2.0 日本人のキャリアの新・ルール

参考本
この記事は約14分で読めます。

この本の副題ともいうべき

 日本人のキャリアの新・ルール

っていうのにとても興味があり読んだのですが、「キャリコン利用者側の意見」もあり、キャリアコンサルタント必読の書と言えるでしょう。

サラリーマン人生崩壊したボク自身が、現在、キャリア再構築中でして、この本の表紙に書かれた

 やりがい
 年収
 人間関係
 会社の将来性
 自由度

これら全て興味があるのですが、みなさんも上の5つのうち1つぐらいは、関心があると思います。

 

目次と概要

2021年4月3日に初版が、ソフトバンククリエイティブより発行された本です。

ボクは、ソフトバンククリエイティブの本、初めて読んだかもしれません。

ホームページをみたところ、ものすごーーーーく詳細な目次が掲載されていました。

購入前に、この情報を知ったのですが、もう、目次だけでもお腹いっぱい。

こんなに詳細を公開していいのかなと思いつつも、いつの間にか興味津々となりました。

また、第1章こそ「転職」について多く記載がありましたが、それ以降の章ではかなり「転職」については控えめで、どちらかというと、

 キャリアに関する本じゃん!?

という印象を持ちました。

さて、この本の構成です。

目次

はじめに キャリアの常識が180度変わった
・我慢しながら働く時代はもう終わった
・転職のOSをアップデートし、「望み通りのキャリア」を手にする
・転職には方法論がある

第1章 望み通りのキャリアを手にする「転職2.0」とは?
誰もが?我慢しない働き方〟が手に入る時代
・転職のOSをアップデートせよ
【キーコンセプト①目的】転職は自分の市場価値を高める「手段」と考える
転職1.0:「1回の転職での成功」を目的とする
転職2.0:転職を「自己の市場価値最大化のための手段」と考える
・市場価値向上に最もインパクトを与えるのが「転職」
【キーコンセプト②行動】「タグ付け」で自分の希少価値を高める
転職1.0:「情報収集」をする
転職2.0:「タグ付けと発信」をする
・市場価値を高める=タグ付け
【キーコンセプト③考え方】目指すポジションから逆算してキャリアを考える
転職1.0:「スキル思考」で考える
転職2.0:「ポジション思考」で考える
・スキル思考が長いと1つの会社から動けなくなる
【キーコンセプト④価値基準】「シナジー」を基準に仕事を選ぶ
転職1.0:仕事を「会社」で選ぶ
転職2.0:仕事を「シナジー」で選ぶ
・シナジーがあなたの能力をアップさせ、市場価値を最大にする
【キーコンセプト⑤人間関係】広くゆるいつながりをつくる
転職1.0:「人脈づくり」をする
転職2.0:「ネットワークづくり」をする
・大きく市場価値が高まるのは「別のつながり」に移るとき
【特長①】やりがい、年収、人間関係、ワークライフバランス……すべて同時に手に入る
・望み通りのキャリアは、「一生生き残り続けられること」でもある
【特長②】実績・強み・やりたいことがない人でもできる
・大学、会社のネームバリューにはもう価値がない

第2章 自己を知る――「情報収集」から「タグ付けと発信」へ①
強み・実績・やりたいことがない人でも自分の市場価値を知る方法
・強みや適性を知る=自己の?タグ〟を明らかにすること
【タグ付けフレームワーク①】:分解
・[分解1]レジュメを更新せよ
・[分解2]自分の職種をコンピテンシーに分解する
【タグ付けフレームワーク②】:解放
・[解放1]他己紹介からヒントを得る
・[解放2]転職を考えていなくても、一度市場に出てみる
タグは発信してこそ意味がある
・タグは市場に「認知してもらう」ことで、キャリアにさらに有利に働く

第3章 自己を高める――「情報収集」から「タグ付けと発信」へ②
市場価値向上=「すでに持っているタグ」×「新しいタグ」
・一直線上のキャリアアップでは、いつか賞味期限を迎えてしまう
【STEP①】どんなタグと掛け合わせるか
・[市場価値を高めるタグ1]既に持っているタグと離れたタグ
・[市場価値を高めるタグ2]新しい職種に付随するタグ
【STEP②】どうやってそのタグを手に入れるか?
・[タグ入手法1]現業でタグが手に入る仕事を得る
・[タグ入手法2]そのタグが手に入る仕事に転職する
スキルのタグを高める方法
・英語のタグはまだまだ需要がある

第4章 業界を見極める――「スキル思考」から「ポジション思考」へ
【業界選びフレームワーク①】:業界の固定
・[STEP1]業界を固定する
・[STEP2]市場価値が高まるタグが得られるポジションを選ぶ
【業界選びフレームワーク②】:ポジションの固定
・[STEP1]ポジションを固定する
・[STEP2]市場価値が高まるタグが得られる業界を選ぶ
どのポジションが熱いのかを知る
・定期的に求人情報を検索する
どの業界が伸びるのかを知る
・業界1位の会社の有価証券報告書のサマリーだけ読めばいい

第5章 会社を見極める――仕事は「会社」でなく「シナジー」で選ぶ
シナジーによる会社選び
・仕事を会社で選ぶと、次の転職の可能性を極端に狭める
シナジーが得られる会社とは何か
・カルチャーフィットを重視する
受ける会社が決まったら……
・プレゼンの仕方次第で、あなたのキャリアは何倍にも魅力的になる
転職先が決まったら……
・内定後に本当に転職するかためらいが生まれたら……

第6章 広くゆるいつながりをつくる――「人脈づくり」から「ネットワークづくり」へ
これまでの転職になかった新しい概念
・これからは誰もが4回は転職を経験する時代
ネットワークづくりがあなたの働き方を180度変える
・ネットワークは転職以外にもチャンスをもたらす

第7章 転職を考えることは人生を考えること
「仕事選びとは何かを妥協するもの」はもう過去の常識
・なぜアメリカ企業には、我慢しながら働く人がいないのか
改めて問う、あなたは「我慢する働き方」を続けるか?
・「いい会社」の基準が変わる

  

いかがです?

それぞれのテーマをざっと見て、気になるところ、多くあったのではないでしょうか。

最近発売したばかりということもあり、もちろん、コロナ禍によるニューノーマルな時代に則した「新・ルール」がまとめていました。

  

著者は村上臣さん

「臣」と書いて「しん」って読むんですね。

この村上さんですが、ソフトバンククリエイティブの著者紹介のページでは次のような紹介がありました。

LinkedIn(リンクトイン)日本代表 青山学院大学理工学部物理学科卒業。
大学在学中に現・ヤフーCEO 川邊健太郎らとともに有限会社電脳隊を設立。日本のインターネット普及に貢献する。 2000 年にその後統合したピー・アイ・エムとヤフーの合併に伴いヤフーに入社。2011 年に一度ヤフーを退職。 その後、孫正義が後継者育成のために始めた「ソフトバンクアカデミア」で、ヤフーの経営体制の問題点を指摘したことを機に、当時社長の宮坂学など新 しい経営陣に口説かれ、2012 年にヤフーへ出戻る。弱冠36 歳でヤフーの執行役員兼CMO に就任。600 人の部下を率い、「爆速経営」に寄与した。 2017 年11 月、米国・人材系ビジネスの最前線企業・LinkedIn(リンクトイン)の日本代表に就任。欧米型の雇用に近づきつつあるこれからの日本において、ビジネスパーソンが生き抜くための「最先端のキャリア・働き方の情報」を日本に届けることを個人のミッションとする。 国内外の雇用事情に精通した「キャリアのプロ」として、NewsPicks アカデミア講師を務めるなどメディアにも多数登場し、転職や働き方について発信している。 複数のスタートアップ企業で戦略・技術顧問も務める。

https://www.sbcr.jp/product/4815608033/

  

強烈に印象的だった一文をあげると……

この本で1つだけ感銘を受けた文章をあげるとしたら、こちらです。

人の職業間は、一生を通して不変ではなく、むしろ振り子のように振れているものだと思います。

P285

チェックした付箋がたくさんあってすごく迷ったのですが、1つだけということならば、上の分となります。

ちなみに、このあとにこう続いています。

「目一杯働きたいときもあれば、徹底的にサボりたいときもある。これが普通の人の感覚であり、振り幅の中でどうバランスを取っていくかが人生のテーマ……」

著者はこういった感覚がある方だとは思っていませんでした。

経歴をみると、すごい人ですし、「雲の上の人の話」とか「村上さんだから出来ること」という先入観が実はあったのですが、285ページ目を読んで、思わず、もう一度最初から読み直してしまいました。

 

では、ここでクエスチョンです

「我慢しながら働く時代はもう終わった」という理由、知ってますか?

この答え、冒頭のP2からいきなり説明がありました。

ボクがそうですが、このブログを見ている方の中にも、

 「我慢しながら働いている人

って多いのではないでしょうか?

あまり意識はしていなかったのですが、ボクはそういう気持ちでいたことに気づき、それだからこそ、このP2を読むことで、とても気持ちが楽になりました。

そして、その安心感から、謙虚な気持ちでこのページ以降を読んでいくことができました。

日本人のキャリアの新・ルール

本のタイトルが「転職2.0」なんですが、ボクにとってみると副題の

 日本人のキャリアの新・ルール

こそがこの本にふさわしいと思いました。

読み終えて分かったのですが、

 転職する人、しない人、迷っている人、考えてもない人にも働く人全て

に通じ、また読んでほしい1冊です。

いままでは、ずばり「キャリアコンサルタント」について書かれた本についてご紹介してきました。
それらは、どちらかというと、キャリアコンサルタントの国家試験対策本という観点だったかもしれません。

しかし、今回は視点が違います。

「キャリアコンサルタント」を利用する側から見た

 「キャリアコンサルタント」の利用の仕方

について記載がある本なんです。

 

「キャリアコンサルタント」についてたくさん書いてあった!

この本では、何度も「キャリアコンサルタント」について言及しているところがあります。
例えば、

 P89の7行目~
 P97の1行目~
 P127の8行目~
 P166の12行目~
 P203の12行目~

ページの間隔をみて分かるように、ところどころ、思い出したかのように「キャリアコンサルタント」のフレーズが出てきます。

具体的にどのように触れられているか分かりにくいと思いますので、1つだけ、紹介しますね。

P203の12行目では、

 キャリアコンサルタントは「会社選びにおいても重要な役割を果たす存在」

と書かれていました。

それ以外にもあったかもしれませんが、まぁ、それぐらい多く出てきたということです。

 

また、キャリアチェンジについて記載がありました。(P246)

ボク自身がキャリア再構築なので、「キャリアチェンジ」に関する内容もあまりいままでにはない切り口で参考になりました。

タイトルとURLをコピーしました