<受験で覚えたのと全然違うじゃん!>【参考書】キャリア・アンカー ~自分のほんとうの価値を発見しよう~

参考本
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シャインの「キャリア・アンカー」。

キャリコン養成学校でも習ったし、受験勉強ではネットで探した語呂合わせで覚えました。

でも、本家本物の「エドガー H.シャイン」が書いた本では全く違うことが書かれてた、うぅー。

 

ごめんなさい、金井壽宏さん

以前の記事。

第18回の学科試験の問題で、「金井壽宏」さんが出てきました。

ボクは、野球選手かと思ってたんですが……。

 

その後、調べてみると、大学の教授をされている方らしく。

そして、さらに調べると、いろいろな本を出させており、で、とうとう出会いました!

ボクの永遠の謎を解き明かしてくれたこちらの本に!

 

 

 

ボクは受験勉強中(いまもまだ面接試験が残っているから受験勉強中ですけど)に、常に「なんか違う」という違和感を抱きながら、理論の勉強をしていたんです。

 

なんか違うという違和感

振返ってみると、キャリアコンサルタント養成学校の通学中、そして学科の受験勉強時から、こういった感覚って割と多くあったように思います。

いまにしてみると、おそらくの原因は、海外の理論の日本語訳が正しくされていないところにあるのかも。

一旦、あいまいな日本語訳が広まってしまうと、さらに多くの方が様々な解釈をしてどんどん違う方向へ広がってしまう結果、矛盾が出てしまうんじゃないでしょうか。

例えば、これは学科の勉強している時に、詳しく調べて当時、分かったことなんですが、

 「アイビィのマイクロカウンセリング」の「はげまし」も同じで、日本語の「はげまし」じゃない

んです。

そんなこと知らないし、誰も教えてくれないから、ボクは素直に、

「アイビィのはげまし」って「がんばれー、フレーフレー」

っていうんだと思って、ロープレしていたら、オブザーバーの先生に唖然とされましたし、そもそもロープレがめちゃめちゃになりました。(お相手の受講生の方、ごめんね。)

ま、こういったことは、「受験生あるある」ってことで、あくまでも試験対策として割り切ってしまえば楽なんですが、

「自分が教える側に回ったら、この疑問を解決しておかないと大変なことになるぞ」

っていう

・いつの間にか合格していて

・養成学校の講師になっている

この2つがいつの間にやら芽生えていて、変なところにこだわりながら勉強していたんです。(アマノジャクなのかなぁ)

整理すると、当時からいままでの流れはこんな感じです。

<スタート>理論が「理解できない」状況に陥る
 →「養成講座で質問するが、そもそもの質問の意図を汲んでもらえない」
  →「なんとなく、面倒くさくなって、落ち付いたら自分で勉強しよう」【いまここ】

ただ、中には意図を汲んでもらえる先生もいて、そういう先生にあこがれて、さっきの「自分が教える側に回ったら」っていう気持ちになっていたのかも。

 

目次と概要

‎白桃書房より2003年6月26日に初版が出版されました。

目次はこんな感じです。

目次

第1章 序
第2章 キャリア指向質問票
第3章 キャリア発達
第4章 キャリア・アンカーという概念の展開
第5章 キャリア・アンカー・インタビュー
第6章 実践に生かすために

  

海外の本って、日本より目次があっさりしていて、意外を好きかも。

読み始めて、いきなりぶっ倒れそうになったのが、シャインの発達段階(P13では「キャリアの主要な段階」)について。

シャインは9段階って覚えていたのに、10段階じゃん!

って最初は誤植だと思ったのですが、読んでいくと、10段階こそ、理解がよりしやすく、さらに、自分のサラリーマン人生を振り返ると、この10段階だと、しっくりくる。

……いや、はじめて理解ができた感じです。

まぁ、でも試験対策だと9段階でいいんだろうけど、でも、1つ段階が少ないと、やっぱり理解するのが難しいんだよなぁ。

 

強烈に印象的だった一文をあげると……

この本で1つだけ感銘を受けた文章をあげるとしたら、こちらです。

アンカーがわかった後、つぎになにをすべきか

P87

そりゃそうです、そうなんですよ。

ボクは受験勉強のときに、どうしても納得できなかったのがこの「次に何をすべきか」だったんですね。

この考え方に固執していました。

「理解することができたけど、次にすべきことって暗記でいいんだろうか」

って。

それで、関連した本を読みまくっていたのですが、分からない。

なんとなく、受験同志のロープレ会の雑談で聞いてみたりしたのですが、周りから浮いてしまって。

で、誰も教えてくれないし、知ることができないで、今日までずーっと戸惑っていました。

そんな経緯があって、ようやくこの本に出会って、そしてとうとう腑に落ちました。

 

さて、この本のP87からは、第6章として、「実践に生かすために」というテーマで話が進みます。

理論を勉強するだけではなく、それを実践、実務でどう活かすかっていう視点。

たった2ページではありますが、具体的に5つの方向性が記載されています。

ボクは、この5つのうちに

「1.自分自身についてさらに深く学ぶための方法を学ぶ」

だけは、独力でたどり着いたのですが、他の4つはムリでした、自分だけではこのままだとおそらくたどり着かなかったように思います。

 

では、ここでクエスチョンです

このシャインの考え方ってアメリカ製の概念だけど、日本で使えるの?

この本の後半には「訳者あとがき」があるのですが、P96にこの答えが書いてあります。

キャリコンの知識のほとんどは海外の理論。

 國分さん、森田さん、吉本さん

といった日本の方も学科の過去問には出てきますが、やはり、多くは海外の理論が中心になります。

そんなとき、思いますよ、やっぱ。

そのまま日本に持ち込んで使えるんかいなって。

いままで読んだり調べた中では、明確にその答えが書いてある本はありませんでした。

受験の範疇を超えるかもしれませんが、ボクは、この答えを学科の受験勉強中や養成講座の受講中に知っておきたかったです。

あと、その他にも、受験勉強していて感じる

個人には大事かもしれないが、会社にもメリットがあるの?

なんてこともP97に説明が掲載されています。

さらに、

キャリアアンカーが全般管理コンピタンスだったけど、会社に管理職のポストないのにどうすりゃいいのさ?

っていうことも。(で、これについてはP101に解説があります)

この本は、シャインの原文を和訳して、訳者の意見は意見で別章構成になっているから、シャインの考え方が素直に理解できました。

多くの本は、シャインの原文を和訳しつつ訳者の解釈で上書きしているようでして、そこが誤解を生んでしまうようなことに、この本を読んで気が付いた次第です。

  

 

 

 

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