【勉強レポート】外国人支援領域とキャリアコンサルタント

受験後【合格後】
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キャリアコンサルタントの支援領域はさまざまです。

その中で、ボクがもっとも苦手なのが「外国人支援」領域です。

単純に苦手理由は外国語が話せないから、なんですが、いまやGoogleをはじめいろんな翻訳ツールがありますし、また、外国人支援のメソッドはある程度あるはず。

そう思って調べると、厚生労働省が「外国人支援」に限定した研修がありましたので、早速申し込み。

まずは、そこから学んで知識の定着をしていこうと思いました。

 

第11次職業能力開発基本計画に外国人支援あり

2021年3月に策定された「第11次職業能力開発基本計画」ですが、ボクもキャリコン受験生のときに観ていました。

もちろん、試験に出るとやだなぁっていう気持ちでしたが。

そこには、このような記載があります。

外国人の就職や企業実務(ダイバーシティ経営等)に関する知識を付与し、外国人材の就職等に精通したキャリアコンサルタントの育成を進めるとともに、企業内でのキャリアコンサルティングの実施により外国人材の活躍や定着につなげている企業事例の情報発信等に取り組む。

https://www.mhlw.go.jp/content/11801000/000733533.pdf
参考資料 6-19

 

身の回りを見ても考えても、外国人の方の協力なしには日本の作業は回らなくなっています。

しかも、その外国人は世界各国から集まっており、文化も違いますし、慣習も異なりますよね。

なので、日本人を相手にキャリアコンサルティングするのとは難しそう。ボクも最初はそう思っていました。

 

でも待って、キャリコンのスキルってそもそも外国の知識じゃん

ただ、ボクが学んできた理論って、そもそも外国の知識がほとんどなんですよね。

ロジャーズとか、クランボルツとかもそう。シャインだってそう。

たまに、日本人の方の理論もありますが、ほぼすべてが外国人の知識を輸入しているんです。

ってことは、基本的には、キャリアコンサルタントとして支援する方法に相手の国は関係ないと言えるんじゃないかな。

そう思っていましたが、勉強をしてみると、そのとおりでした。

 

気を付ける点はやっぱりある

なんですけど、気を付けなければいけないことっていうのがあるんです。

例えば、日本がどの程度話せるか、理解できるかでの視点です。

ここで、ボクら日本語のネイティブは

 「話す」=「理解できている」

というのは思い込みがあるのですが、全く別次元ですよね。

口頭なのか文章かで、得意不得意もあるでしょう。

こういうのって、自分が英語の勉強する時のことをイメージすると分かりやすいんじゃないでしょうか。

筆記試験は得意だけど、ヒアリングはさっぱりっていう人もいますよね。

こういったことは自分自身だと分かるのに、対象が相手になるとたちまちひとくくりにしまいがちです。

 

高度外国人材と言われてなんのことかわかる?

「すでに日本企業で就労している外国人労働者」と「高度外国人材」っていうそうです。

ボクはてっきり、テレビとかにでている有名大学卒業の外国人コメンテーターさんみたいな人をイメージしていました。

その高度外国人材ですが、最終学歴が日本の大学・大学院である場合は50%ちょっとということです。

ボクは、外個人へのキャリア支援は就職希望者や現職者の方のみだと思っていたのですが、大学や大学院に通っている外個人の方は「高度外個人材の卵」という位置づけだとはじめて気が付き、そこまで幅が広がるんだと改めて知りました。

 

用語がどんどん出てくるぞ

学習の中盤になると、用語がどんどん出てきます。

ダイバーシティ経営

経済産業省ではこのように「ダイバーシティ経営」を定義づけています。

多様な人材を活かし、その能力が最大限発揮できる機会を提供することで、イノベーションを生み出し、価値創造につなげている経営

経済産業省

 

つまりは、いままでとは違った人材を活かすということで、具体的には女性、外国人、高齢者、障害者のようですが、ボクはここに中高年を入れてもいいと思っています。

「中高年」は いままでとは違った人材 ではないかもしれませんが、イノベーションを生み出すには、もはや、その活用を根底から再検討する必要があるんじゃないかなと。

自分が中高年の部類に入るので、言っているんじゃないんですが、それなりに人が多い層なので、うまく活用しないで他に求めるのはもったいないような気がしています。あ、これはボクが勉強しての感想というか意見なんでスルーしてもらってOKです。

インクルージョン

別に無理にカタカナ表記にしなくてもいいなと思うのですが、これは、「いろんな人がその場を居心地がいいか」ということだとボクは理解しています。

別に外国人に限らず、日本人も感じることですよね。

ちょうどいまだとコロナ禍前とコロナ禍後でのインクルージョン、みなさんはどう感じていますでしょうか?

このあたりについて、こちらの経済産業省のホームページに詳細が記載あります。

 

アンコンシャス・バイアス

「無意識の思い込み」ってことなんですが、これそのままの日本語でもいいような感じもします。

ネーミングは置いておいて、これは日常的にも発生しているように思います。

例えば、ネットニュース。

ヤフコメ(ヤフーのコメント機能)を読んでいると、意見にかなり偏りがあるものの、その偏りのある意見にいつの間にか自分が引っ張られてしまうこと、ありません?

そういう先入観に左右されないのは、キャリアコンサルタント養成学校でも学び特訓しましたが、ベースはあくまでも日本国内でのことなので、外国まで広げると、ついついの思い込みがあるものです。

気を付けないとなぁ。

 

ハイコンテクスト文化

高文脈文化ってことで、逆はローコンテクスト文化となります。

日本はハイコンテクスト文化だそうで、多少は説明を省略しても相手にはほとんどの場合、伝わります。

しかし、外国人がハイコンテクスト文化で育っていたかというとそんなことはないですよね。

ただ、外国人だけじゃなく、日本人にも「省略しないできちんと自分の言葉で説明をする」必要はキャリコンにはあり、これもキャリコン養成講座では習っていました。

が、いつの間にかボクは忘れていました。

思い出すきっかけになり、今回の勉強はとても役に立ちました。

 

セルフ・キャリアドックとの結びつき

外国人支援において、セルフ・キャリアドックと結びつけて説明がされている部分がありましたが、僕個人的には少し無理があるような気がしました。

日本人であるボク自身が「セルフ・キャリアドック」をサラリーマンとして触れる機会がほとんどなく、キャリアコンサルタントだから知ったようなものです。

「セルフ・キャリアドック」を否定している訳ではなく、これが浸透できたらとても良いと思っています。

しかし、キャリアコンサルタントの立場では推進したい気持ちがあっても、一方で現役のサラリーマンとしてこれほど浸透していないものを外国人に適用するのはちょっと無理があるように感じました。

セルフ・キャリアドックが、海外から輸入されたもので、それを外国人に適用するのは、おそらく抵抗はないと思います。

しかし、外国人が日本的な「セルフ・キャリアドック」を受け入れるには、まず日本的、すなわち、日本文化・慣習を十分理解した上で、はじめて「セルフ・キャリアドック」に興味を持てるような気がしました。

 

逆に考えて、外国人にすんなりと受け入れられる仕組みを「セルフ・キャリアドック」を参考に作成するとうまくいきそうな気がします。

それでうまくいったら、逆輸入する感じで、「セルフ・キャリアドック」とは別の名前にして置き換えていくといいかも。

人間ドックを受診したことがある人にとってはこれほどわかりやすく馴染むネーミングである一方、人間ドックになじみがない若い40歳未満の方には、

人間ドックは40歳以上になったら受けるものだから、セルフなんとかドックっていうのは、当分ぼくらには関係ないよね

っていう意見はもっともで、さらに、外国人の方は、これまた誤解を生んでしまうネーミングのような気がしたのでした。

……この話、長くなりそうだから、これぐらいにしておきますね。

 

 

「外国人支援は外国語ができないとできない」と思い込んでいたボクでしたが、こうして勉強すると、それ以前に身につけなければいけないことがあり、とても新鮮でした。

そりゃ、外国語が出来た方がいいでしょうが、むしろ、できないからこそ、いまだから使える精度の高いITツールを駆使すればまぁまぁなんとかなるんじゃないかなって思えるようになりました。

 

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