アドラー。
キャリアコンサルタント試験の学科試験で、たまに出てくる理論家の一人です。
ボクが落ち込んだ時に、ツイッターで励ましてくれる方がいらっしゃるのですが(ありがたいことです……)、その方の励まし方って、たぶんですが、「目的論」的な未来志向な感じでした。
違うかもしれませんが、ボクは、その励ましのメッセージを読むと、未来志向になりがんばろうっていう気持ちになるんです。
ボクもそういう感じのエールを贈れる人になりたいなって思って、「アドラー」について勉強することしました。
ただし、マンガで学べるのであればっていう限定条件もあり、探してみるといろいろあるんですね。
その中の一冊、実際に手に取ると、大感動でした。
ちなみに、この「マンガでやさしくわかる」シリーズは「傾聴」でも読んだことがあったのですが、まず、ハズレがないですね。どれもあたりの本だと思います。
目次と概要
日本能率協会マネジメントセンターより2014年7月10日に初版が出版されました。
目次はこんな感じです。
目次
Prologue アドラー心理学って?
Part1 見方を変えればあなたはもっと生きやすくなる
Part2 感情とライフスタイルの形成
Part3 思い込みの世界から共通感覚へ
Part4 人間関係と感情
Part5 勇気づけとは
マンガが中心な本なもんで、結構、あっさりです。
マンガをなめるなよ! 星井さんだぞ!
どうせ、無理やりマンガにしただけしょ?
……っていうイメージがあるかもしれませんが、このシリーズは以外をマンガだけでもしっかりしたストリー構成がしていて、ものすごくリアルでした。
ドラマまではいかないにしても、シナリオ制作に力をいれているようです。
というのも、この本のシナリオ制作は「星井 博文」さんという方で、結構、有名な方のようです。
他の大手出版社やマンガ雑誌出版会社なら納得できますが、なぜ、そんな有名な方を、日本能率協会マネジメントセンターさんで起用できたのか謎(……失礼な感じでごめんなさい!)ですが、マンガだけ読んでも内容が分かるんだから、これはすごいぞ!
で、たぶんですが、この本は女性に向いていると思います。
主人公が女性っていうこともありますが、兄弟姉妹がいる場合は、女性ならわかる「あるある」ネタが多いですから。
もちろん、男性が読む分にも全く問題ないですが、ボクはね、
・いま、仕事で悩んでいる女性
・いま、育児で疲れている女性
・いま、ワーママで両立に迷っている女性
におすすめしたい一冊です。
それと、男女共通して、
・上司との関係に悩んでいる
・取引先との関係に悩んでいる
という方にも、おすすめかな。
強烈に印象的だった一文をあげると……
この本で1つだけ感銘を受けた文章をあげるとしたら、こちらです。
原因を探ることは、解説にはなるけど解決に結びつかない
P73
フロイトの「原因論」とアドラーの「目的論」の違いを一言で説明していますね。
キャリアコンサルタントの勉強をしていると、クライエントの相談を「原因論」で考える必要があるとボクは思います。
ただ、そこで留まってしまうと、試験を意識したカウンセラーになってしまうような気もします。
受験生同志のロープレや、Youtubeで有資格者のカウンセリングで、
「この人、上手だな」
って感じるのは、たぶん、「目的論」まで意識した流れを作っているような気がします。
その違い、まだ受験生でうまく説明できないのですが、そんな気がします。
テクニックではなく、そこを意識するかどうかが大切なんじゃないかと。
なので、試験対策ではないかもしれませんが、
「目的論」
を学び、理解することは、養成学校という沼から一歩踏み出すような気がします。
すみません、話がなくなってしまって。
ついでに、ボクの感想にもう少しお付き合いください。
受験生ならわかると思いますが、「養成学校でのロープレ」と「試験を意識したロープレ」ってかなり違いますよね?
ボクはこの差は、「目的論」を理解したかどうかの違いのように思います。
実際のクライエントは、練習だとしても、未来のことを考えているのだともボクは思うんです。
「いま、ここ」なんでしょうけど、でも、クライエントは未来を考えるからこそ、いまが不安で過去を振り返っても不安になるような。
とまぁ、そんなことを考えながら、ボクはこの本を読み進めていました。
そして、読後には、
「あ!」
っていう感覚になりました。
なので、キャリアコンサルタントの基礎を養成講座でひととおり習って、いま、なんかよくわかない迷宮に入った感じの方は、この本でごそっと振り返ると、そこから抜け出せる感覚が持てるかもしれません。
では、ここでクエスチョンです
「勇気づける」ことと「ほめる」ことの違い、分かりますか?
これはP34-35に答えが書いてあります。
図で理解したいのであれば、P211に1枚の資料でまとめてあります。
特にP211については、子育てにも応用することができます。
子育て経験をしている方ならわかると思いますが、子供が幼稚園か小学校に入った途端、「ほめる」だけでは通用しなくなります。
じゃあ、どうするか?
多くの場合、「叱る」ことをしている方多いんじゃないではないでしょうか?
……というか、ボクの場合はそうでした。
部下の育成でも同じです。
「褒めるマネジメント」なんてヘンテコな言葉一時流行ってしまったから、それでうまくいかないと「叱る」上司ってみなさんの会社でも見たことあるのではないでしょうか?
いまにしても思うと、もっと早く、「勇気づけ」に関して知っておきたかったなぁ。