【模範解答・解答例】第30回と第28回の「キャリアコンサルタント試験<実技・論述>」ここが違った!【無料限定公開】

[試験問題]解答・解説
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今回の第30回に出題ですが、事故かと思うぐらい、前々回とほぼ同じ内容が出題されました。

が。

分析すると出題趣旨が実は違ってんだよねっていう話。

手抜きでAIでの模範解答シリーズはこのブログのキラーコンテンツとなり、かなり好評ということもあり今回も調子に乗って、第30回と第28回の何が違ったのかまとめてみました。 

宣伝ですが、ロープレの個別指導サービスをココナラではじめましたので、よかったらご利用ください。

 

ちなみに、過去の論述はこんな感じでまとめていました。

論述の模範解答はインターネットで公開しているけど、人によって、内容が結構異なります。

なので、このAIでの解説シリーズは主観ではないという意味ではどこよりも参考になると思います。

いままでのシリーズ同様、

「キャリコンの論述試験の模範解答はAIで簡単に分析できるし、タダだし、ほらこんな感じでね」

という内容でして、ボクが当時受験した試験団体はCC協議会なので、CC協議会で出題された論述についてまとめています。

 

 

出題者の狙いにこんな違いがあった!

第28回(2025年3月実施)と第30回(2025年11月実施)の論述問題の構成・テーマ・相談者像は、確かにかなり共通点が多く、出題者の狙いが読み取れます。以下に分析します。

 

 

① 似ている点(=出題意図が共通している部分)

比較項目第28回第30回共通の狙い
相談者像大学生(20歳・女子・大学2年)大学生(22歳・女子・大学4年)若年層のキャリア形成初期段階を理解しているか
相談テーマやりたい仕事がわからない/親の意向とのギャップ/自己理解の不足福祉を学んだが向いていない気がする/親の期待と迷い「自己理解不足+親の価値観との葛藤」構造
状況周囲が動き出して焦り/インターン・アルバイト経験あり実習・インターン経験を経て迷い外的な動機づけから内的動機づけへの転換を促す段階
応答箇所(下線B)「学生時代に夢中になったことや楽しかったことは?」「当初は福祉に惹かれたが向いていないと感じている」どちらも“自己理解を深めるための探索的質問・反映”を問う
設問構成相談内容 → 応答意図 → 問題と根拠 → 今後の方針同じ4設問構成フォーマット完全一致:基本力確認
主題的背景キャリア発達の初期・拡散アイデンティティ同上発達課題・自己概念形成を理解しているかを評価

🔹要するに:
両方とも「進路に迷う大学生×親の価値観×自己理解不足×キャリアコンサルタントの傾聴姿勢」が共通軸。
出題者は、基礎的な面談理解と発達段階の理解ができているかを確認していると考えられます。

 


② 異なる点(=第30回で新たに問われた要素)

比較項目第28回第30回違いのポイント
学年・段階2年生(就活前)4年生(就活・卒業直前)意思決定の「直前段階」での迷い(より切実)
興味対象ダンス・アルバイト福祉・実習体験「現実体験後の再評価」→自己効力感・現実検討が焦点
応答の種類「質問型の探索」「共感的反映(感情理解)」面接技法の違い(質問→反映)を比較的に問う
親の影響就職先を「ちゃんとした会社」にしてほしい学んだ分野を「活かしてほしい」両親の期待の種類が異なる(外的評価 vs 教育投資意識)
キャリア理論上の位置づけスーパー理論の「成長→探索」期(拡散)同理論の「確立」期(決定段階での動揺)より成熟した段階の支援を想定

🔹要するに:
第30回では、単なる「やりたいことが分からない」ではなく、
「一度決めた進路を見直す」「自分に向いていないかもしれない」という**再考・再決定(リ・プランニング)**がテーマです。

 

 

出題者が似たシチュエーションを短期間で出した理由(考察)

  1. 基本力(初期面談・若者支援)を確実に確認する意図
     → キャリアコンサルタント試験の目的は「相談過程の基礎理解」を測ること。
     進路に迷う大学生は典型的ケースであり、受験者間で比較しやすい。
  2. 「質問→反映」など面接技法の違いを理解しているか確認
     → 第28回は「探索質問」、第30回は「共感的反映」。
     短期間で類似テーマを出しても、技法の意図を区別できるかを見たい。
  3. 「発達段階の理解」と「意思決定支援力」の双方を検証
     → 28回:探索段階の支援(自己理解)
     → 30回:確立段階での迷い支援(意思決定支援)
     → 同じ大学生テーマでも、理論適用力の幅を問える。
  4. AI学習や過去問対策による“丸暗記答案”への対策
     → 内容が似ているが一部の条件を変え、**思考力(比較・応用)**を問う。
     つまり「前回の答えを覚えているだけでは通用しない」設計。
  5. 実際の相談現場で頻出するテーマ
     → 大学生・親の価値観・自己効力感の低下は実務でも最頻出。
     → 現場再現性を重視する協議会の出題方針に沿う。
      

まとめ(全体像)

第28回第30回出題者の狙い
主テーマ自己理解の浅さ・親の価値観とのズレ一度選んだ進路に自信が持てない若者支援の基礎理論を応用できるか
面接技法質問(探索)反映(共感)技法の意図の理解度チェック
支援方針自己理解・興味探索意思決定・自己効力感回復初期→中期段階の支援プロセスを理解しているか
理論背景スーパー/ホランド/自己概念スーパー/バンデューラ(自己効力感)理論統合力を見る
ねらい基礎確認応用確認同一テーマで深まりを比較できる構成

 

 

 

「第28回」と「第30回」の**共通テーマ別 模範答案比較表(4設問並列表)「どう書き分ければ高得点になるか」

では、第28回(2025年3月実施)と第30回(2025年11月実施)の設問ごとの模範答案比較表(短答形式)を示します。
両者の違い・採点者が見たい観点・書き分け方
を明確に解説します。

 

 

🧭 全体構造の共通点

  • 両回とも「大学生が将来に迷う事例」
  • 設問は4問固定(相談内容 → 応答意図 → 問題と根拠 → 方針)
  • 配点:10・10・20・10点
  • 採点の重点:①面接理解力、②問題把握力、③理論的裏づけ、④支援方針の現実性

 

 

🔶 設問別 模範答案比較表(短答版)

設問第28回:模範解答(要約)第30回:模範解答(要約)出題意図・書き分けポイント
設問1(相談内容)相談者は、就職活動を控え、やりたい仕事が分からず焦っている。ダンスに熱中してきたが、それを仕事にする自信がなく、親の希望する一般企業への就職にも迷いがある。自分で将来を決めたいが方法が分からず相談している。相談者は、福祉を学んできたが、実習で「自分には向いていない」と感じ、進路を決められずにいる。両親は学んだ分野を活かした就職を望んでおり、自分の希望との間で葛藤している。今後の進路をどう決めるかを相談している。どちらも「自己理解の不足+親の期待とのギャップ」。違いは、28回=“これから探す”、30回=“決めた道に迷い”。→ 第30回では「再検討(re-planning)」の視点を加える。
設問2(下線Bの応答意図)「学生時代に夢中になったこと」を尋ねることで、興味・価値観を引き出し、自己理解を促す探索的質問。相談者が自分の強みや関心を言語化できるようにする意図。「福祉が向いていない」との発言を受け止め、感情と認知を整理させる共感的反映。相談者が安心して本音を話し、再評価につなげる意図。28回=質問型(探索的)/30回=反映型(共感的)。→ 面接技法の区別を明確にすることが得点の鍵。「質問」と「反映」を混同しない。
設問3(問題と根拠)①やりたいことが分からず、自己理解が不十分。根拠:インターン情報を集められず、焦りや迷いを感じている。②親の価値観と自分の考えの不一致。根拠:「親の勧めで決めてしまいそう」「避けたい」と発言。①福祉分野への適性に自信がなく、職業的アイデンティティが揺らいでいる。根拠:実習経験後に「向いていない」と感じ、不安を抱いている。②親の期待と自己の希望の葛藤。根拠:「両親は福祉就職を望む」「自分は迷っている」と述べる。構造は同じ(2問題×根拠)。28回は“探索前の迷い”、30回は“再評価段階の迷い”。→ 第30回では「自己効力感の低下」も意識できると高評価。
設問4(今後の方針)まず傾聴により安心感を与え、興味・価値観の探索を支援。ダンスやアルバイト経験の整理を通じて自己理解を深め、興味と強みの共通点を見つける。行動目標を設定し、親の期待との調整を支援する。初期に共感的傾聴で安心を促し、福祉を志した理由と違和感の背景を整理。価値観・能力を棚卸し、活かせる職種を情報提供。小さな行動目標を設定して自信を回復し、家族との調整も支援する。両者とも「傾聴→自己理解→行動支援→家族調整」の流れ。30回は「意思決定・自己効力感の向上」を明記すると差がつく。

 

 

💡 採点者が見たい「違いの理解」

観点第28回第30回
クライエント段階キャリア探索初期(モラトリアム期)決定段階での迷い(確立期)
主な心理課題自己理解の不足・動機の外在化自己効力感の低下・進路再考
面接技法の焦点探索的質問(ホランド・スーパー)共感的反映(バンデューラ・スーパー)
相談者の発達課題自己概念の形成自己概念の再統合・現実適応
高得点の書き分けポイント「何が好き・得意かを探す」視点「なぜ合わないと感じたか再整理」視点

 

 

🧩 総括

出題者は同じフォーマットで似た状況を提示しながら、
**「面談の基本構造を理解しているか」+「微妙な発達段階の違いを捉えられるか」**を確認しています。

✅ 28回=「キャリア探索期」
✅ 30回=「意思決定・再検討期」

したがって、「似ている=問題構造」
「違う=面接技法と心理的焦点」です。

 

最後に、ロープレの個別指導サービスをココナラではじめましたので、よかったらご利用ください。

 

 

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