キャリアコンサルタントになるには勉強し、試験を受け、合格しないといけませんが、その後、そう、資格取得後も大切です。
それらがバランスよく構成されていた本がありますので、今回ご紹介します。
ちなみに、「キャリアコンサルト」の概要は以前の記事で紹介した本で理解できました。
そのあと、さらに、もう一歩踏み込んだ情報を知りたく、どちらかというと独立という観点からも情報収集をしました。
今回の本も、ぜひ、みなさんにもご紹介したいものとなりますので、お伝えします。
目次と概要
2020年10月1日に第1版が、秀和システムより発行された本です。
秀和システムはパソコンなどの入門書(はじめてのシリーズ)をよく読んでいたので、ボクは馴染みの深い出版社です。
ホームページも非常に丁寧なつくりをしており、例えば、次の目次も秀和システムのホームページから引用しましたが、とにかく細かいんです。ボクは本を選ぶ際、そうとう時間をかけてしまうので、こういった目次情報が詳しいと非常に助かります。
目次
第1章 キャリアコンサルタントという仕事
1-1 キャリアコンサルタントは悩みを解消する専門職
1-2 仕事にまつわる悩みを抱えている人は周囲にたくさんいる
1-3 AI時代に必要とされる、人間にしかできない仕事
第2章 キャリアコンサルタントは取得しやすい国家資格
2-1 国家資格の概要
2-2 受験資格 ―実務経験がなくても大丈夫
2-3 合格率 ―初回受験で5?6割が合格
第3章 資格試験の内容と効果的学習法
3-1 「学科」試験の内容
3-2 学科試験の効果的学習法
3-3 「実技(論述、面接)」試験の内容
3-4 論述試験、回答のコツと効果的学習法
3-5 面接試験の効果的学習法
第4章 多彩なキャリアコンサルタント活躍の場
4-1 公的機関 ―ハローワークはじめ多数ある就労支援施設
4-2 教育機関 ―キャリアセンター勤務には資格が必須
4-3 一般企業 ―人事総務系で人気急上昇の国家資格
4-4 人材ビジネス ―派遣業・紹介業のベーシックライセンス
4-5 その他の勤務先 ―資格が生きる勤め口のいろいろ
4-6 個人事業者 ―独立開業へのパスポート
4-7 副業・兼業、そして独立へ向けて ―人生100年時代の“転ばぬ先の杖”
第5章 資格取得者(キャリアコンサルタント)の具体的プロフィール
5-1 スーパーのパートからキャリアコンサルタントへ(43歳女性)
5-2 人事マンが学生の就職アドバイザーに(63歳男性)
5-3 研修講師の幅を広げ、漠とした不安から脱却(50歳女性)
5-4 倉庫でのアルバイトから念願の人材系企業に就職(27歳男性)
5-5 人事スタッフ&マネージャーとしての成長に(39歳女性)
5-6 副業・兼業から始め人生100年時代に備える(46歳男性)
第6章 キャリアコンサルタントに向く人、向かない人
6-1 年齢性別は関係ない資格 ―生涯現役で一生働くための手形に
6-2 適正はあるのか? ―なりたいという意思が何よりも大事
6-3 日常生活にも役立つ資格の勉強 ―夫婦仲は確実に良くなる!?
第7章 キャリアコンサルタントへの最短の道
7-1 学校(養成講習)の選び方
7-2 試験に向けての準備活動
7-3 合格する人、しない人 ―何が合否を分けるのか
7-4 合格後のパフォーマンス、ネットワーク、更新講習
割と6章構成が多い中で、7章構成で、各章、まんべんなくバランスの良いページ配分となっています。
目次だけ見ても、興味が半端ないですよね。
この点においては、著者の柴田さんもすごいですが、秀和システムの編集のご担当者もやっぱりすごいです。
ボクは、特に、今期は先輩キャリアコンサルタントの事例がほしかったので、第5章はとても勉強になりました。マンガやイラストも豊富で、とても読みやすいこともこの本を一気に読み切ることができた理由だと思います。
著者は柴田郁夫さん
著者は、「柴田郁夫」さん。
キャリアコンサルティング技能士1級、2級の資格をお持ちの方です。
詳細は、次のホームページをご参照してください。
ボクは理系でして、著者の柴田さんも同じ理系出身の方ということを知りました。
キャリアコンサルタントで活躍するには、理系とかそういうのは関係ないことが分かり正直、ホッとしました。
また、ブログでも発信されており、
1級キャリアコンサルティング技能士・柴田郁夫の開発・学習ブログ
も合わせてご参考にされると良いと思います。
個人的に面白かったのは「日本の生産性が低いのは大企業が中小をいじめているから」という記事でした。
実をいうと、ボクは、柴田さんとは(Zoomですが)お会いしたことがあるんです。
「キャリアコンサルタント養成学校」を探していた時に、学校説明会に参加したのですが、その時、柴田さんと1対1でお話する機会がありました。
学校というよりかは、キャリアコンサルタントの説明会という感じでして、ボクの個人的なキャリアの相談まで含めて、とても親身になってご対応いただきました。
その時には、今回ご紹介した本を読んでいたので、非常に濃い1時間を過ごさせていただきました。
強烈に印象的だった一文をあげると……
この本で1つだけ感銘を受けた文章をあげるとしたら、こちらです。
実際、私たちキャリアコンサルタントの仕事は、仕事や職業のことだけに限定されるものではない場合が多いのです。
P10
実際に、柴田さんとお話して、相談に乗っていただいた時の振り返ると、まさにそうでした。
本では2行の文章ですが、ボクが直接柴田さんから受けた実体験では、キャリアコンサルタントの醍醐味というようなことを体感しました。
「ボクも、いつか柴田さんのようになれるのかなぁ」
とちょっとショックを受けたぐらいです。
それぐらい素晴らしいキャリアコンサルティングを受けたように思います。
これから勉強していく「傾聴」についても、本ではなく柴田さんから直接学んだことが土台になるのだから、とても貴重な経験をしました。
P9前後に、この本で説明がありますが、キャリアコンサルタントの「キャリア」を広く考えることで、ボクの場合は、気がすっと楽になりました。
そして、その考えをされている方が行うキャリアコンサルティングをまさに目の当たりにして、自分の目指すキャリアコンサルティング像を掴むこともできました。
では、ここでクエスチョンです
仕事の悩みはどの年齢層にもありますが、それぞれの層での特有の悩みや不安はどういったものがあるでしょうか?
この答えですが、P19に掲載されています。
キャリアコンサルティングをする上で、クライエントは、どういった年齢層の方が相談にやってくるかは分かりません。
そう考えると、ボクは不安で仕方ないです。
逆に、どういう知識があれば、不安が少しでも解消されるかというと、
それぞれの年齢層が抱えている悩みの具体例
です。
この例については、「ボクが学生だった頃、こんなこと悩んでいたな」とか、「先輩はもしかしたらそういうことに不安を感じているのか」という気づきや発見がありました。
きっと、そういうことを先入観として持つことはキャリアコンサルタントとしては、おそらく一番ダメなことだとも感じているのですが、相談を受ける側の引き出しとしては多い分に越したことはないとも思っています。
他にも、キャリアコンサルタントとして多くの経験をしている柴田さんだからこその情報が多くありました。
最後に、この本の強みですが、正直に「試験対策」になっている部分だとも思います。
そういう意味だと、第7章はかなりストレートに受験対策の情報が満載でした。
試験合格をゴールにしてはいけないと心では分かっているのですが、やはり受験生としては「合格したい!」というのが本音でもあります。
「じゃあ、ここだけの話、お伝えしますけど……」
という感じの第7章はあまりこういう切り口の説明はなかったので、有益な情報でした。
柴田さん、とても良い情報をありがとうございました!
いつかは、直接お会いしたい!です。