「傾聴」については学べば学ぶほど、奥が深いです。
なんですが、最近、感じ始めてきたのが、
そもそも「傾聴」ってどうしたら良いのか
ってこと。
なんか、「傾聴」そのものが、ちょっと分からなくなってしまいました。
ボク自身、今回ご紹介する本で、ようやくその迷宮から一歩踏み出すことができました。
もしかしたらキャリアコンサルタントを目指している方に多いかもしれませんので、ご参考にしてください。
目次と概要
2019年1月10日に初版が、三笠書房から発行された本です。
この本の構成はこんな感じです。
目次
1章 傾聴とは、相手の話に「共感」すること
2章 傾聴とは、相手の「物語」を受け入れること
3章 傾聴とは、「身近な人」を幸せにすること
4章 傾聴とは、他人との「境界線」をなくすこと
5章 傾聴とは、「自分」をもっとよく知ること
まず、文庫なので、安い!
なのに、内容はしっかりしており、二度ビックリです。
日本人が日本人にする「傾聴」が分かる本
この本では、
「傾聴」は「ナラティブ・アプローチ」
という記載がありました。
この「ナラティブ」というのは「物語」の意味だそうです。
つまり、「傾聴」というのは、「物語を聴く」というアプローチってことなんですが、このあたりはP25に詳しく掲載されています。
ボクはこの一言でガツーンと理解できました。
いままでフワフワだったのが、カチーンと思考が定まったような感じです。
相手の話を聴く
っていうことは、
相手の物語を聴く
ってことだという理解をしたら、これまでボクがやってきたことは「傾聴」でもなんでもなかったということが分かりました。そして、ちょっと恥ずかしくなりました。
偶然、この本に出会ったから良かったものの、こういう説明とか教え方、誰もしてくんねーんだもんなぁ。
ただ、前振りが良いというのか、P25だけ読んでも、なかなか理解できないようにも思います。
なので、一度初めから読んで、P25まで読んでから、もう一度初めから読み返すと、かなりしっくりときます。(ボクはそうすることで、「傾聴」の意味が良く分かりました。)
ネットで調べていたら、
「傾聴」は、「アクティブリスニング」ともいう
みたいですが、
日本人が日本人にする「傾聴」
を知りたいのであれば、この本ほど分かりやすいものはないとも思える内容でした。
強烈に印象的だった一文をあげると……
この本で1つだけ感銘を受けた文章をあげるとしたら、こちらです。
繰り返しますが、「傾聴」は何か結果を求めてやるものではない、ということです。
P152
これ、意外でした。
いや、「信じられない!」って感じでした。
でも、振り返ってみると、ボクの「傾聴」は「結果を探って」いたように思います。
ボクの場合、相手の話を聴きながら、
「どうにかこの人にアドバイスをしてあげたい!」
「励ましてあげたい!」
ということをずっと考えている、軸が自分にあり続ける聴き方だったんです。
逆に、この考え方を知って、気持ちがすっと楽になりました。
では、ここでクエスチョンです
子どもには、どのタイミングで話を聴くのがよいのでしょうか?
この質問に対しての説明はP144に書いてあります。
ただ、特に子どもに限定せずに、夫や妻、もしくは両親や兄弟でも適用するように思います。
詳細はP144に書いてありますが、人から声をかけられて、
ついつい「あとでね」って言ってしまう方には必読のページ
だと思います。
海外の「アクティブ・リスニング」を理解するのも大切ですが、「日本人による日本人のための傾聴」という別の角度から「傾聴」を学ぶのが、手早いかもしれません。