両立支援コーディネーター基礎研修に当選し、動画研修の4回目。
前回まではこんな感じの授業でした。
ちょうど折り返しの第4回の動画研修は「労務管理に関する基本的知識」です。
お勧め度:★★★★☆
冒頭に、
どうして両立支援コーディネーターがこの分野の学習が必要なのか?
ということがしっかりと説明されていました。
これはちょっと新鮮。
考えたら、両立支援コーディネーターを目指していますが、そのためになぜ、これから習う知識が必要なのか、逆にないと、どういうことが想定されてるのかっていう視点は、学習意欲をそそりますし。
講義で教わる知識の一部はキャリコン受験と一緒。なのに……
例えば、就業規則など、キャリアコンサルタント養成学校でも同じことを習っていましたので、知識としてはいまもまだ残っていることの復習になりました。
しかし、実践よりの今回の講習では、より踏み込んだ情報を提供いただきました。
学習意欲は、キャリコン養成学校よりも、グンとありましたね。
やっぱり、なぜ今回の講義があるかという「意義」の説明があり、それに共感したからだと思います。
なんで、労務管理を学ぶ必要があるか、わかる?
受験中のボクは、こうでした。
「キャリアコンサルタントの試験にでるから」
しかし、今回の講義では違います。
それは、
「治療をどう進めていくか、どうするかの検討に必要な情報だから」
なんですね。
だから、その患者の働いている労働時間とか休暇制度、労働契約、さらには就業規則といった情報が必要なんです。
おおー、自分でもビックリ。
これに気づかずに、キャリアコンサルタントになっているのがちょっと恥ずかしかったぐらい。
今回の講座は、そういう視点なわけです、はい。
労働関係法令にビックリ
「労働関係法令」という法令はそもそもなく、それは総称だということです。
さらに、講座では、3つのグループに分けて説明があります。
テキストはP5ですが、どれもこれも聞いたことはあるのですが、なるほど、その区分だとより分かりやすくなります。
労働基準法と労働契約法の違い、分かる?
今回の講師の方は、けっこう、メリハリがあってですね、例えば、今回の労働基準法と労働契約法の話に進むと、
「これはざっくりの理解で大丈夫ですよ」
みたいな感じで最初に言ってくれます。
これ、大切です。
じゃないとですね、膨大な量のテキストを全覚えしないといけない勢いになっちまいますから。
出ました、就業規則!
これはキャリアコンサルタント試験でも出やすいので、必死に暗記しましたが、今回はそういうんじゃなくて、理解していくことになります。
絶対的必要記載事項と相対的必要記載事項の区分とかは、試験対策であって、今回の授業では、良質支援コーディネーターとして特に重要になるものの説明がありました。
全11個中、4個。
テキストはP9ですが、①⑦⑨⑪でしたね。
その他、時季指定義務の話なども。
「時期」じゃなくて「時季」なんですね。
昭和の労働基準法から平成の労働契約法へ
労働契約法の成り立ちと、意味についての説明を受けました。
簡単に言うと、
労働契約法はトラブルの時に頼りになるルールブック
なんですね。
だから、当たり前のことを書いてるものでもあります。
上司の着服や不正、それを部下への押し付け
労働契約法については、かなり時間を割いての説明がありました。
ドラマの半沢直樹ではないですが、上司の不正行為ってこの法律的にはNGなんですね。
「信義に従って誠実に権利を行使」とか「労働契約に基づく権利の濫用してはならない」っていうのがあるんですから、倍返しする必要もなく、会社で悪いことをしている人は、労働契約法違反な訳です。
バルブ世代や逃げ切り世代は、それを部下に押し付けて去ろうとしていたようですが、いまは、会社依存の人が少なく、また、押し付けたところで、再雇用で5年ぐらい会社に残らなければいけないので、いずれは責任追及されるでしょう。
……といったことを、「監査役 野崎修平」のドラマを観ながら勉強していたもんで、ちょっと感じたりもしました。
具体的な相談例あり
具体的な質問例が多くありました。
例えば、P38の簡単にまとめるとこんな感じです。
”労基署に相談した方がいいと助言したら、患者が本当に労基に行って、社内で「あいつは労基署に言いつけた」と言われ、患者から苦情を言われそうだ”
それに対してどうすれば良いのかが下段に解説とともに記載されています。
この「回答」は、あくまでも「両立支援コーディネーター」としての心構えのような感じで、結構、面白かったし、理解しやすかったです。
これを知っているか知らないかでの大きな分かれ道
治療と仕事の両立支援は、事業者にとっては「義務」として実施しなければいけないものではない
……ってことでした。
ボクはてっきり「義務」だと思っていました。
もちろん、このご時世、そのあたりをないがしろにしたら事業者にとって良くないことは分かりますが、両立支援コーディネーターとして「義務」じゃないことをしっかり認識して支援しないといけないという当たり前を学んだ講習でした。
この講座を受講してなければ、きっと、キャリアコンサルタントとして正義感だけで突っ走る、確かにクライエントにとっては心強いかもしれませんが、何ら解決性を見いだせない存在になっていたかと思います。
キャリアコンサルタントと両立支援コーディネーターは全く別のものだと思っていましたが、意外と共通性があるもんですね。