「傾聴」は非常に奥が深く、なかなか理解しにくいです。
その理由ですが、ボクのような初心者には敷居が高く、解説本はあるもののかなり学術的。そんな中、強烈にわかりやすかったのが古宮昇さんの本。
いままで紹介した古宮さんの本はこちらです。
他の方の著書で、少し初心者向けなのはこちらです。
そして、今回はマンガで「傾聴」について説明された古宮さんの本です。
これ、はじめに読みたかったなぁ。
目次と概要
日本能率協会マネジメントセンターより2017年1月30日に初版が出版されました。
マンガ→解説っていう感じで、この手の本にはあまりない、「マンガ」が中心とした構成となっています。
しかも、マンガ、スゲーおもしろいし。
本の構成ですが、こんな感じです。
目次
プロローグ 傾聴って?
Story0 お騒がせ市長登場!
Part1 「聴いてほしい」人の心のしくみ
Story1 耳かたむけ課に来る人ってどんな人?
Part2 傾聴の基本
Story2 共感したつもりが「クレーマー」に!?
Part3 傾聴の実践
Story3 あの人の本音はどこにある?
Epirogue 傾聴で私が変わる!未来を変える!
何の知識なしでもOKってスゲー
ある程度、知識があるつもりで読んだのですが、さすがマンガ。
ものすごく理解が深りまります。
「傾聴」の定義とか、そういう試験対策じゃなく、
傾聴の本質をマンガで丁寧に説明
している本ですので、知識0であっても、一から傾聴について理解できると思います。
ボクはキャリアコンサルタントの受験生なので、教わる立場ですが、「教える」立場だったら、この本で傾聴のイメージを把握しておかないといけないと思いました。
養成講座の先生でも理解してない人が……
先に謝っております。生意気な意見ですみません。
キャリアコンサルタント養成講座に通っていますが、ロープレで指摘をしてくれる先生の中でも、このマンガに沿った「傾聴を理解している上での」指摘をしてくれる方とそうでない方の差、この本を読んで分かりました。
マンガでは、主人公がいろいろな失敗をします。そして、先生(このマンガでは市役所の市長)がアドバイスをしてくれます。
この関係が、キャリコンの受験生とオブザーバーの先生と似ており、マンガのようにアドバイスしてくれる先生がボクの通っている養成講座にも何人かいました。
いま振り返ると、わりと多くそういったタイプの先生が多かったように思います。
そして、前回の養成講座で指摘を受けたアドバイス、なかなか理解できないでいたのですが、このマンガでようやく理解できました。
ってことは、ボクが「傾聴の理解を間違っていたこと」がこの本で補正されたように思います。
キャリアコンサルタント試験の実技試験前に、必ず読んでおくこと
これ、重要だと思います。
このマンガで出てくる相談者(クレーマーが多いですが)は、いろんなタイプなのですが、それぞれについて、失敗からアドバイスを受けて再チャレンジしてうまく進めることができます。
つまり、試験前に、あえて失敗パターンをイメージとしてとらえておくことが、重要だと感じました。
逆に、養成講座のロープレでは、失敗することが許されるので、それほどしっかりと読み込まないでもいいかなと思います。
なんですが、ボクのようにキャリコンとは畑違いの仕事をしているのであれば、ある程度のレベルには達した状態でロープレに望む方がいいかと。
実際、ボクは初回のロープレで、圧倒的に周りの方よりレベルが低いことを痛感しました。
このレベルの差をなんとか埋めたいということで、「傾聴」の本を読みまくっていたのですが、ボクのような悩みを抱えている方には、打ってつけの本です。
養成講座は、一番レベルの低い人に合わせて授業を進行することはないのも、事実ですから。
強烈に印象的だった一文をあげると……
この本で1つだけ感銘を受けた文章をあげるとしたら、こちらです。
「ほめ」と受容は似て非なるもの!
P87
これ、勘違いしていました。
どうして、「ほめ」と「受容」が違うのか?
それについてはP87に記載があります。(しかも、イラスト入りで)
相談を受けたり、部下の指導したりする場合、ぜーったいに勘違いしてしまうんですよね。
ボクもそうでした。
そして、勘違いしたままだとどうなるか……。
まぁ、最悪な場合ですが、ボクのように降格したり、干されたり……するかも。
では、ここでクエスチョンです
傾聴の3ステップ、知ってる?
これは
Part1 「聴いてほしい」人の心のしくみ(P39~)
の章で、マンガにて説明があります。
おそらく、この3ステップは聞いたことがあるし、習ったことがある人もいると思います。
ボクもそうでした。
でも……。
「あーーーーーーーーーーーーー、そういうことだったんだぁ」
とマンガを読んでようやく分かりました。
これは泣きそうになるぐらい感動的な理解でした、
「シナリオ製作」の「葛城かえで」さんがすごい
マンガで学ぶシリーズ、ボクは高校や大学受験からいろいろお世話になっています。
多くは、「無理やりマンガにしただけ」というのが多かったのですが、この本は全く違いました。
表紙を見て、気づいたのですが、
シナリオ製作者がきちんといる
っていうのが他と違う点だと思います。
残念ながら、この本のシナリオ製作者はネットでは詳細が分からなかったのですが、この人が、たぶんすごいんだろうなと感じた一冊でした。