サラリーマン人生崩壊してしまったボクは、自らがキャリアデザインを再構築する必要がある状況になりました。
いろいろ不安な気持ちの中、キャリアコンサルタントの存在を知る機会があり、
「これだ!」
という衝撃を受け、キャリアコンサルタントを目指すことにしました。
それとは別に、自らがキャリアデザインを再構築することも並行して実践しています。
なので、
①キャリアデザインの再構築
②キャリアコンサルタントの資格取得
この2つを相乗効果として活かそうと考えているのですが、仕事を辞める訳にもいかないので、①と②の新しい試みをしつつ、
③在職中の業務もこなす
も当然やっていかないといけないため、正直大変な気が最近しているのですが、楽しんでもいます。
ちなみに、これまでは、キャリアコンサルタントの本を何冊か紹介してきました。
「キャリアコンサルト」の概要ならこちらの本。
さらに、もう一歩踏み込んだ情報を知りたくなったら、こちらの本。
試験を少し意識した本だとこちら。
いずれも良書でした。
そして、今回の本は、ちょっと系統が異なるのですが、「キャリアデザインの実践本」となります。
あまり、この手の本は見かけることは少なく、また、ネットでも情報公開がなかったので、出会った瞬間はとても感動しました。自分と同じ世代の「40歳からの」っていうのも、なんか運命的なものを感じたし。
「令和の時代を生きる人のキャリアデザイン」ですので、キャリアコンサルタントを目指す人でなくても、働いている方、全てに共有したいものとなります。
目次と概要
2020年7月20日に第1版が、中央経済社より発行された本です。
イラストはほとんどなく、ガチに自分のキャリアデザインを見直したい人にはすべてのページで大きな気づきがあり、ボク自身も付箋で本の厚さがすごいことになりました。
ざっとですが、この本の構成です。
目次
はじめに
第Ⅰ部 キャリアデザインを考える
第1章 人生100年時代のキャリアプラン
1 100年生きる時代
2 企業の寿命は30年
変化の激しいVUCAの時代
トップ企業の変化,GAFAの台頭
10年後になくなる職業
3 60年働く時代
「マルチステージ」の人生を生き抜くためのポイント
登山型からハイキング型の人生へ
4 キャリアチェンジの成功事例
第2章 キャリアプランニングのフレームワーク
1 キャリアプランニングのフレームワーク
2 人生100年,3つの力
4 自分のパーソナリティー・タイプを知ろう!
5 自分が大切にしたい価値観を知ろう!(キャリア・アンカー)
6 エンプロイアビリティー(雇用される能力)を把握しよう!
第3章 キャリアプランニングの心構え
1 キャリアチェンジの心構え:4M理論
2 メンタル・ファウンデーション(精神的基盤)を整えよう!
3 モチベーション(動機づけ)とは何か
4 転機に対処するために
5 人生のストーリーを自ら創造するために
6 予期せぬ出来事をチャンスに変えるために
第4章 自分のキャリアの棚卸し
1 人の能力とは:能力の氷山モデル
2 人のスキル,コンピテンシーとは
3 ライフラインチャートを作成しよう!
4 職務経歴の棚卸しをしよう!
5 トランスファラブルスキルを探そう!
6 生涯収入試算表を作成してみよう!
7 能力とキャリアデザインの関係とは
第Ⅱ部 20人の先行事例に学ぶ
第5章 新卒入社企業で50歳以上まで継続
第6章 日本企業に転職
第7章 外資系企業に転職
第8章 ベンチャー企業に転職
第9章 独立・起業を実現
補 論 充実した人生後半キャリアのために
大きく分けると2部構成です。
第Ⅰ部では知識や演習があり、第Ⅱ部では、具体的な事例集となっています。
ボクの場合は、
第Ⅰ部で時間をかけて演習をしながら知識を理解する形で
読み進めました。その後、第Ⅱ部を読んだのですが、自分なりのキャリアデザインが第Ⅰ部で完成してしまったので、参考にざっと読むという使い方となりました。
なので、先行者の成功事例として読んでいった感じとなります。
ただ、誰もがキャリアデザインをすぐに作れるとは限らないので、第Ⅰ部から読んだものの、どうにもこうにもキャリアデザインに迷って、演習もやってみたが分からない方であれば、一度、第Ⅰ部を読むのをやめて、第Ⅱ部を先に読んだ方が良いと思います。そして、第Ⅰ部に戻ってくると理解が全然違ってくるかと。
著者は3人で菊地克幸さん、小倉克夫さん、そして山岸 慎司さん
3人の共著となります。
そして、共通しているのが、3人とも現役のキャリアコンサルタントであるということ。
そう、ボクが目指しているキャリアコンサルタントの先輩なんです。
また、本の最後にあるプロフィールを見ると、この3人は、株式会社スキルアカデミーに所属しているようです。
本では、ユングなど歴史上の有名な方の理論はもちろんですが、それぞれの著者の持論も記載があります。
いままで読んできた本は、キャリアコンサルタントの学科試験に出題される理論としてだったので、それ以外のより実践的な考え方には共感するものが多くあり、参考になりました。
例えば、P26では「人生、チャチャチャ(Cha-Cha-Cha)で行こう」という提案がありました。
「チャチャチャ」って言えば、石川明美さんだろうという発想しかないボクにとっては、驚愕な提案です。
この本で言う、「Cha-Cha-Cha」は、
Change
Chance
Challenge
の頭文字だったんですが、この考え方は従来のボクのキャリアの考え方にはなかったのと、
確かにそういう考え方を取り入れれば人生がこれほどステキなものはないだろう
という共感がありました。
なので、ボクのキャリアデザインにおいては、この考え方は即採用したのでした。
強烈に印象的だった一文をあげると……
この本で1つだけ感銘を受けた文章をあげるとしたら、こちらです。
そこで次世代のキャリアに必要なことは、途中で何度か「学び直し」をして別のスキルを身につけ、時代のニーズに合致した仕事・職種に自分を変化させていくことである。
P13
このP13ですが、キャリアモデルとして、3つが図で掲載されています。
具体的には、この3つです。
昭和モデル | 1950年~1980年 |
平成モデル | 1990年~2000年 |
令和モデル | 2010年~ |
磯野波平を例にして説明していることもあり、この3つのキャリアモデルはかなり理解しやすかったです。
そして、自分のキャリアモデルとしては、「平成モデル」のままだったことを痛感しました。
でも、この本のおかげで「令和モデル」にシフトすることがおかげさまでできました。
この他にもご紹介したいところがたくさんあるのですが、全体を通して、分かったことがあります。
それは、ボク自身のキャリアに考える甘さと現実逃避と言いますか。
なんとなく、このままではいけないなっていうのは分かっていました。
そして、現状の維持がもはや奇跡的にすぎない状況ということも。
なんとなく、変化しないことの方が安心で居心地が良いと思えることが多かったのですが、この本を読み終えると、変化しないことのリスクを目の当たりにしました。
つまりは、この本のおかげで、ようやく目が覚めたということです。
では、ここでクエスチョンです
モチベーションを高く保つためにどのような目標を設定すればよいでしょうか?
この答え、P48に掲載されています。
アメリカの心理学者のビクター・ブルームの期待理論で言われていることでもあるようですが、
ちょっとがんばったら達成できるぐらい
が良いようです。
日々の仕事でもそうですよね。
すごい高い目標を設定すると、焦ってきますし、不安にもなってきます。
だからといって低すぎる目標にしてしまうと、それはそれで達成感もなければ、それに向かうモチベーションも上がってこないでしょう。
現役のキャリアコンサルタントの方の本ですが、実際、キャリアコンサルタントになって、どのように応用を利かせているかが分かる一冊でした。ますますあこがれがつよくなりました。
3人の先輩の方々、ありがとうございました!