最近、マスクをしない人がチラホラ。
新型コロナの感染症法上の位置付けが5類へと移行され、アフターコロナに入りつつある現在、いろんなことが変化しています。
副業(複業)も同じく、アフターコロナで考え方・取り組み方がかなり変わってきています。
それなのに、ネットの情報はコロナのビフォー・アフターでの情報が混在しており、それを見分けるのはなかなか難しいです。
また、ボク自身がキャリアコンサルタントとしてアフターコロナでの情報を知っておく必要性がある一方、自ら副業をしていることもあり、この2つの立場・視点でかなり納得がいって分かりやすかったのがこの本です。
もちろん、これから副業を考えたいなという人や、会社員で5月から在宅が禁止あるいは縮小となるかたにもばっちりお勧めできます。
目次と概要
こちらの本は日本能率協会マネジメントセンターより2023年2月11日に初版が出版されました。
日本能率協会マネジメントセンターさんの本は、キャリコンを目指していた受験中からお世話になっていて、今回が4冊目です。
ちなみに、過去3冊はこんな感じでご紹介しています。
著者は、大林尚朝さんです。
一応、断っておくと「松林」さんじゃなく、「大林」さんです。
出版社の著者紹介にはこのように記載があります。
株式会社Another works 創業者
複業エバンジェリスト。1992年生まれ、大分県出身。早稲田大学法学部卒業。
https://pub.jmam.co.jp/author/a265840.html
2015年、パソナグループ入社。顧問やフリーランスなど業務委託人材紹介の新規事業に従事。年間最優秀賞など多数受賞。2018年、株式会社ビズリーチ(現.ビジョナル株式会社)入社。M&Aプラットフォームの事業立ち上げを行う。
2019年、株式会社Another works創業。複業したい個人と企業や自治体を繋ぐ、成功報酬無料の総合型複業マッチングプラットフォーム「複業クラウド」を開発・運営。創業4年で累計1,000社以上が導入、50,000名以上が登録、約70自治体と複業での地域活性に係る連携協定を締結、テレビや新聞など400件以上の掲載実績を誇る。
複業、経営・組織戦略、キャリア構築、地域活性をテーマに発信し、行政や教育機関をはじめ100件以上に登壇、「日本経済新聞」など多数のメディアでも取り上げられている。
う。な、なんかすごい経歴……。
すげーなぁ。
実は、大林さんの経歴は本を読んだ後から知りました。
本だとものすごく分かりやすく説明されていたので、割と高齢の方かなと思っていたら、ぜんぜん違うし、さっきまでジャルジャルアイランドの動画でトースター松林を観て笑い転げていたボクには、この本で出会わなかったら大林さんとは一生接点がなかったように思います。
そういう意味では、日本能率協会マネジメントセンターさん、ステキな接点、ホンマおおきにです、はい。
話は戻って、副業本って、あまり具体性がないのです。
が、この本は、たぶん、現時点で唯一じゃないかな、9つの職種を例に副業(複業)をどう攻めるか(どういったスキルを磨けばいいか)ということに触れています。
目次一覧でいうと、第2章です。
目次
第1章 複業をはじめるときに大事な5つのこと
1 複数の目的、目標を決める
2 自分にスキルのハッシュタグをつける
3 本業の就業規則やルールを確認する
4 複業時間割を設計する
5 複業先を複数の方法で探す
第2章 複業で挑戦できる職種9選
1 営業職の複業
2 マーケティング職の複業
3 エンジニア職の複業
4 デザイナー職の複業
5 広報職の複業
6 人事職の複業
7 カスタマーサポート/カスタマーサクセス職の複業
8 管理部門全般の複業
9 事業開発・経営企画の複業
第3章 複業の目的から環境を選ぶ
・民間企業×複業
・地方企業×複業
・行政×複業
第4章 複業で欠かせない究極のコミュニケーション
・劇的に変容したコミュニケーション方法
・複業で「できる」と思われる4つのコミュニケーション
1 レスポンスの「速度」と「時間」
2 断る勇気を持つ
3 状況に応じてアラートを出す
4 1on1を依頼する
第5章 複業から始まる次の人生
・複業は新しい自分と出会う旅
・少子高齢化による労働力人口の減少
・組織の在り方を変えたオンライン化
・これからの合言葉は「まずは複業で」
・「複業起業」という選択肢
・複業は「挑戦するすべての人の機会」を最大化する
強烈に印象的だった一文をあげると……
この本で1つだけ感銘を受けた文章をあげるとしたら、こちらです。
あなたが何かに悩んでいるときに相談するなら、同じ悩みを解決してきた人に相談したいですよね?
P46
これ、ボク自身がキャリアコンサルタントになる前に感じていたことです。
キャリアロスに遭遇した際、何人かに相談したのですが、なかなか悩みを分かってくれないんです。
キャリコンになって分かったのですが、テクニックみたいなことを駆使するキャリアコンサルタントの方もいましたが、相談者の悩みが深ければ深いほど、うまくいかないんですよね。
というか、バレちゃう危険性の方があると思いますし。
いまはキャリアコンサルタントですが、
同じお金や時間を費やして相談するならば、同じ悩みを抱えて解決した人に話を聴いてもらいたい
っていう相談者の気持ちはすごく分かります。
これ、とても大事な前提条件だとボクはいまでも思っています。
しかし、例えば、コロナ禍初期での感染に関する相談とか、誰も経験したことがないことを相談したいということも現実にはあります。
そういった時こそ、相談者の抱えている上に書いた前提条件を思い出すようにしています。
このことについては、キャリアコンサルタントの受験生だったときに、ある方には
「先入観を持たない方がいい」
とアドバイスをもらったことがありますが、別の方には
「ありとあらゆる可能性は持っておいたほういい」
とアドバイスをもらったこともあります。
そんなことを思い出しつつ、初心に戻ったようなフレーズでした。
では、ここでクエスチョンです
コロナ禍で求められている(いまの時代に求められている)コミュニケーションスキルはなんでしょうか?
答えはP204にあります。
このページは本当によくまとまっています。
「おっしゃるとおり!」
としか言いようがないですもん。
ここで書かれているスキルですが、いままでの(コロナ禍前のビジネス)スキルとは異なり、自分にも相手にも備わっていないといけないスキルなんですよね。
その両者においてこのスキルのギャップっていうのは必ずあって、それが故にいろんなことが発生するんです。
例えば、上司お客さんからメールをもらって、
「あれ、怒っている?」
なんて感じたことないですか?
あるいは、お客さんからのメールを読んで、
「何言ってるんだ?」
みたいなことありますよね?
そう、それが生じているのはこのスキルが定着していないからなんですね。
ただ、まだ、間に合います。
まだコロナ禍は幕引きしている訳じゃないので、その幕引きまでに、このスキルを伸ばしておきましょう。
たぶんですが、コロナ禍がすっかり落ち着いてしまった後、このスキル不足で現場は混乱すると思います。
そこに対処できるこのスキルのことを3ページにわたって書かれているのですが、他にはたぶんないと思います。
ちなみに、このスキルが不足している人が多い組織の場合は、コロナ前に戻そうとするはずです。
「在宅なしにするから」
会社の中では、それでとりあえずはなんとかなると思います。
が、日本全国で「在宅なし」になるわけもなく、取引先でこのスキルがある場合は「在宅継続」になるでしょう。
気が付いたら、「自分とまわりだけがガラケー」みたいなことになるようなカルチャーショックを2025年問題の年に迎えないように、みなさんはくれぐれも気をつけてくださいませ。